お知らせ

おおた通信 第186号 おおたよりお客様へ

 いつも大変お世話になります。
 9月末頃までは猛暑日が続き過ごしにくい毎日でしたが、10月に入ると朝はめっきり冷え込みが厳しくなりました。秋の季節がなくなった様に感じておりますが、これも異常気象による現象なのでしょうか。私達の、また私達の子孫の為に、早期に対策を打たなければ住みにくい地球になってしまいます。夫々が我が事と認識して、皆で持続可能な地球の創造に取り組むときかと思ってお
ります。
 ところで、新聞などでよく目にするニュースとして『2024年問題』があります。これは、運送業における『働き方改革関連法案』の一環です。具体的には、2024年4月1日以降、トラック運転手の年間時間外労働が960時間に制限されます。このことによりトラック運転手の労働時間が減少となり、慢性的なドライバー不足が発生し、「荷物が運べなくなる」といった大きな社会現象を生み出すと問題視されております。
 無論、弊社においてもその影響を少なからず受けることになります。例えば、配送所要時間が延長化傾向になりますので仕入時に荷物を受け取る立場、または販売する側で荷物を送り出す立場においても緩慢になってしまう事が予想出来ています。
 この問題に対して、弊社では2024年問題の対策が進んでいる取組み先との関係を強化すると共に、社内においても『選択と集中』をさらに推し進め効率を上げるよう邁進する考えでおります。
 別件、先日農水省諮問の和牛肥育期間短縮化交流会に参加してまいりました。近年、黒毛和牛の肥育期間を短縮する研究が進められてきております。肥育期間の短縮は、出荷回転率の向上や飼料費の削減を図るなど、黒毛和牛肥育生産コストを低減化するための有効な手段の一つと目されております。また肥育期間を短期化することで牛が排出する温室効果ガス(げっぷ)の抑制も目的としているのです。
 近頃、『上等な和牛は脂がしつこくて食べられない』というご意見を耳にする機会が多くなっていると実感しております。これは、肥育期間を短くするために高カロリーな餌を短期間の内に給与したり、早期に肉に仕上げるため食欲を増進させる効果のある『モネンシン』という抗生剤入りの飼料を導入したりしているためです。血統造成面では短期発育型かつ霜降りになりやすい牛の血統に整理をした結果、早期肥育に成功したようにみえます。しかしその一方で、消費者からは評価されない―脂っぽくて胸焼けする牛肉になってしまっているのです。この先、和牛生産の手法が進歩発展して、国が考えるような短期間で旧来の美味しさを備えたお肉が仕上がるのか、アンテナを張りながら、いつでも美味しい『黒毛和牛肉』が提供できる様、お客様の満足にお応えしたいと考えております。今後とも、いろんなご意見をお聞かせ頂き、ご指導くださいますよう謹んでお願い申し上げます。

オオタ総合食品株式会社
代表取締役 多田勝