お知らせ

おおた通信 第188号 おおたよりお客様へ

 明けましておめでとうございます。昨年は一方ならぬお世話になりましたが、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 世界的な情勢に目を向けますと、長引くロシアとウクライナによる戦争の終焉が未だ見えず、この戦争は、私共の事業においては、光熱費、飼料相場の高騰をもたらし畜肉の生産原価を押し上げており、そのあおりを受けて離農する畜産家が増えております。離農が加速すると外国産畜肉に対する依存度が益々高まりを見せる状況になり、国内自給率を高めなければならない外交的観点からも喜ばしい事ではないと言えます。また、日本の米、野菜、果物、肉等の生産品は、どれをとっても世界に類を見ない品質レベルの高い産物が多く、これらを守っていかなければならないと食肉販売に携わる者として責任を感じているところでありますし、儲かる日本の農業を追求していってもらいたいと、切に願うところです。

 そこで、県内養豚の現状に目を向けますと、山梨県の認定ブランドポークであります甲州富士桜ポークがございます。県内の生産農家数軒で協議会を構成しており、私も販売部会に加入させて頂いております。かつては、単なるフジザクラポークとして産声を上げた山梨県のオリジナルブランドポークですが、元豚(もとぶた)の高齢化、近交系数の高まりにより、死産、奇形などの事故が多発するようになり、血統を一新して甲州富士桜ポークに生まれ変わりました。しかし、それも早十年が過ぎ血が濃くなるにつれて、やはり生産現場ではその生産性の落ち込みで儲からない養豚事業になりつつあります。新しい血をうまく入れれば良いのですが、予算面の障害があり、なかなか資金投入には漕ぎついていないのが現状の様です。

 一方、弊社では甲府市の契約養豚農場Pig KAKISHIMA FARM(柿嶋ファーム)】との連携を強固なものに作り上げております。柿嶋ファームの長男は、弊社に2年間勤務しておりました。 その間に、国産から輸入豚肉まで自分の手で触れ、試食、検食を繰り返す中で自分の親が作る豚肉の良さを身をもって体感されました。また一方で、弊社との信頼関係をも構築して参りました。弊社退職後は独立系飼料メーカーの養豚研究室に入り研鑽を積み、親の跡を継いで養豚業に勤しんでおります。また、本年5月には新豚舎も増設して肥育頭数の増頭に取り組みながら、その一部がオリーブオイル通販で有名な小豆島の井上誠耕園オリジナルブランドポークである『オリーブ緑果豚』の生産も担って頂いております。

 この井上誠耕園も弊社と志が同じく、日本の優れた産物を作っている農家の一助となるべく販路を作り、農業の担い手不足解消に力を傾注しているところです。

 弊社でも、今年は柿嶋ファームとの取り組みと同じく、果物農家との関係強化を加速させ、事業の多角化を推し進める所存です。

 コロナ感染症もある意味ひと段落と言って良いと思います。今年はコロナ禍中の足踏みをした分を取り戻すべく、快進撃を展開したいと考えているところです。皆さんから色んなご意見を賜りたく思いますので、何卒宜しくお願い申し上げます。

オオタ総合食品株式会社
代表取締役 多田勝