お知らせ

おおた通信 第192号 おおたよりお客様へ

 いつも大変お世話になります。時が経つのは本当に早いもので今年も四半期が過ぎ五月になりました。昨今のニュースでは対US $為替相場の乱高下が大きく扱われ、あるシンクタンク予想だと165 円の可能性も指摘をされております。今回の円安基調は好調なインバウンド需要を後押しして、観光事業者や輸出関連事業者には大きなメリットをもたらし、逆に輸入関連事業者には過大な負担を強いている状況です。果たして、日本ではプラスで均衡するのでしょうか?

 先日、友人が以下のようなことを話してくれました。

 その友人は、今年三月に家族旅行でフランスとポルトガルを訪れたそうです(友人男性50 歳、奥さん50 歳、子供20 歳(男性)、18 歳(女性))。この四月から娘さんが県外の大学で一人暮らしを始めるに当たっての家族イベントを実施しました。

 その友人がポルトガルを選んだ理由は西欧エリアで最貧国の一つだからその実態を自分の目で見てみたかったからだそうです。その家族は、休日には日本でファミリーレストランのデニーズを四人でよく利用していて、12,000 ~ 13,000 円くらいを払っています。そして、パリでデニーズに入り同じくらいのボリューム感の食事で26,000 円くらい、更には最貧国に掲げられるポルトガルですら約16,000 円を支払ったと嘆いていました。

 無論、沢山お金を払えばよいという事ではありません。しかし、巷で言われる「買い負け」の状態が続き、輸入食料依存国である日本には外国産の製品が入ってこなくなってしまいます。

 ですから、少しずつ給与を上げ物価上昇に耐えうる環境を作っていかなければならないと考えます。私は、以前に弊社工場の卸売りを原料中心の売上構成から製造品、所謂付加価値品の製造販売、または価値あるものならば高額でもお取り扱いいただける顧客との関係を強化し、それを「おおたのパラダイムシフト」と銘打って愚直に取り組んできた結果、収支バランスはとても順調に進んできております。その甲斐もあって今年四月に全従業員の給与を引き上げる事が出来ました。

 また、最近梱包資材とお菓子製造に使う香料、染料を扱う方とお目に掛る機会がありお話を伺いました。過去は梱包資材中心の商いだったそうです。しかし、梱包資材は目に余る過当競争社会でこのままだと立ち行かなくなると考え、高級香料、染料の扱いを二十年ほど前から始めました。そして今では売上の四割が香料、染料だそうです。これも、パラダイムシフトだと思って聞いておりました。

 今後、七年、長くても十年くらいのスパンで日本の最低賃金を2.5 倍近くまでもっていき、国力、国民力の向上を作っていかなければ幸せな生活を日本で創造することは難しいような気がしております。乗り越えなければならない多くの課題が存在していると思いますが、お取組み先の皆さんと意見交換を行いこの難しい時代を共に乗り越えていきたいと考えておりますので、是非とも皆様方のお考えをお聞かせください。

 謹んでお願い申し上げます。

オオタ総合食品株式会社
代表取締役 多田勝

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