いつも大変お世話になっております。
さて、少子高齢化による我が国の経済力の減退については私たち一人ひとりが真剣に考えなければいけない問題であり、既にその時期を過ぎているとさえ思っております。一方で、ロシアによるウクライナ侵攻は既に一年が経過し、更に長期戦にもつれ込みそうな状況です。この問題は、私たちの畜産食肉業界にも暗い影を落としております。
と申しますのも、皆さんもすでにご存じの通り、穀物相場が急騰しその穀物を主原料とする家畜動物の飼料相場が暴騰しており、酪農を中心とした離農者が急増しております。同時に鳥インフルエンザの蔓延も手伝って鶏卵鶏肉相場の急騰を引き起こし、これらはすべて私達日本国民の消費生活に物価高と言う形で高負担を強いております。
しかしながら、高負担と申しましても巷でよく言われる「日本の空白の30年」とか「置き去りの30年」などと表現されますが、その三十年を取り戻すためにも、少しずつ諸物価を上げ、私達の可処分所得を上げるべきかと考える次第です。二十五年前くらいから輸入品の商談で日本の買い負けと言うワードを耳にするようになりました。それは、日本はお金を出さない割に商品の規格が厳しく、手がかかる要求をするとの事で輸出国企業が日本を相手にしなくなってきている実態がありました。
以前にもお話したことがあるかも知れませんが、昨年の6月に弊社でお付き合いをしている総合商社から耳を疑いたくなるようなお話がありました。と言いますのもその商社は、米国から牛肉、豚肉において低級の国産肉よりもはるかに上質な品質のお肉を輸入しておりました。
それらは日本国内の大都市圏の大使館や海外駐在員が買い物に行くようなスーパーマーケットで取扱いされていました。それと同じものを弊社のパークスミートコーナーや上質なお肉を採用する卸先への販売を行っておりましたが、いよいよそれらブランドの価格が国産肉よりも高価になり、商社が買い負けをして日本に持って来られないので弊社への供給も止めざるを得ないとの事でした。
このような事にならないように我が国も国民全体の可処分所得を上げ、バイイングパワーを取り戻さなければ美味しく、安全な食材にはあり着けなくなってしまいます。
ですから、行政が進めているリスキリングやDXもそうですが、国民全体で高付加価値化を目指す方向に目を向け、一歩を踏み出さなければいけないと考える次第です。
今回も生意気な事を申し上げましたが、賛否に関わらず、皆様のご意見をお聞きしたく思いますのでご連絡を頂戴出来ましたら幸いです。今後とも宜しくお願い申し上げます。
オオタ総合食品株式会社
代表取締役 多田勝