いつも大変お世話になります。日頃からお引き立て賜り心から感謝申し上げます。
米国トランプ大統領の関税政策によって、世界が翻弄されている感がありますが、弊社がおかれている環境での私見を申し上げますと、相互関税政策により多くの国々が米国からの輸入品に高い関税を課しますので米国畜肉製品の買い気は鈍ってくるものと捉えております。また、米国国内消費もクールダウンしてきますから内需では消費しきれず、また円高ドル安も手伝って安価な仕入れの可能性も予測出来ますし、コロナ禍で飼養頭数を絞っていた米国養牛農家の出荷頭数増加傾向も手伝って多少安価な原料調達が可能になるのかも知れません。一方で国内経済は、強力な米国自動車産業保護政策の影響での日本国内の自動車産業が受ける悪影響は必至だと思いますので国内消費の鈍化が懸念材料として考えられると思います。
いずれに致しましても、日本人が減り、高齢化を来たし食べる量が減る状況は避けられない事ですが、弊社の事業について言及すると、小売事業は人口減をまともに受ける業界です。しかしながら幸いなことに利益率の改善が出来ている事と惣菜部門の売上が比較的好調に推移していることで売上、利益ともにまずまずの状況であります。そこで小売事業は売上を微増、営業利益率をアップさせるべく策を講じたいと考えておりますし、工場製造卸売につきましては、売上は大幅増加に持っていきます。加えて粗利についての方針は、市場に出回っている弊社商品と競合他社の商品のクオリティー比較の中で、状況を注視しながら販売価格を下げ、市場競争力を高めていきたいと考えている所です。
一方、工場においては総菜製造部門に積極的な設備投資を行い手作り感、手切り感を損なわない製品出荷を目指し、売上拡大に注力していきます。また、本部機能にはDX化を推進しており、弊社の基幹システムと言ってもよい販売管理システムが近日中には稼働がスタートいたします。このシステムが動き始めると各拠点の在庫状況が一元的に本部や拠点ごとで管理することが出来るようになり、在庫ロス及びチャンスロスの低減につながっていきます。さらには、販売管理に要していた人件費を大幅に削減することが出来るようになります。また、浮いた人員は高い生産性を伴う場所への配置換え進めていく計画でおりますので更なる収益力の向上が期待できております。
先にも述べました様に国内、海外の情勢が混とんとしており先を見通し難い状況ですが、おかれている環境の足元と、確実に見通せる将来像にはしっかり焦点を定めて歩を進めていきたいと思っております。このような考えでおりますので皆様方からもいろんなご意見、アドバイスを頂戴できれば幸甚の極みであります。
引き続きご指導くださいますよう、謹んでお願い申し上げます。
オオタ総合食品株式会社
代表取締役社長 多田勝