日頃より格別なるご厚誼を賜り心から感謝申し上げます。酷暑の時季を通り過ぎ、少し過ごしやすい季節を迎えておりますが、皆様方に於かれましては益々御健創にお過ごしの事とお慶び申し上げます。
昨今、急激な円安を迎えたと思いきや、一転日銀による利上げの発表を受け140 円台前半まで円高が急伸する不安定な局面がありましたが、食料自給率が低く輸入に頼らざるを得ない日本にとって足元では、安価に輸入食料品の調達が可能となりやすく、喜ばしい事ではあります。しかしながら、畜産の生産現場に目を向け、長期的観点では飼料用穀物相場の高騰が予想できる事、温室効果ガス排出抑制政策の下、家畜動物の生産頭数規制が発せられる事の予見などによって畜肉類仕入れ価格が下降傾向を辿る余地は全く存在しないと言えると推測しております。また、牛肉生産現場の短期的視点に於いてはコロナウイルス感染症の渦中、生産者は牛肉消費回復が見えなかったので仔牛を作っておりませんでした。その影響で現在は消費量に対しての必要頭数が不足している状況で流通価格を押し上げ、希少部位である牛タン等は、取引価格の暴騰を引き起こしており多少混乱しているような見方が出来ます。
この様な状況に際しまして、弊社の考え方を皆様にお伝えしておきたいことがあります。それは一時的な値段の高い安いで軸足を変えるのではなく旺盛な集荷能力のある、または強力なバイイングパワーを有する商社、仕入先、飼料メーカーとの取り組みの関係をベストパートナーへと築き上げ、この先5年、10年、15年の価格が急騰するであろう過去に経験したことがない難局局面を、単なるドライな取り引きではなく、取り組み先様と関係を強固なものにして、共に乗り切っていきたいと考える次第であります。
世界の情勢を見ますとアメリカ大統領選によっても当然良くも悪くも影響がありますし、長期化を極めているロシアウクライナの戦争、イスラエルとガザの問題、イエメン紛争など世界経済に影響を及ぼす事柄が多数見受けられますが、状況を正確に判断して皆様方へのお役立ちできますよう尽力を重ねて参ります。
オオタ総合食品株式会社
代表取締役 多田勝