いつも大変お世話になっております。
早いもので今年も半年を経過し、折り返しの月になりました。昨今の物価高、労働力不足に皆様方に於かれましても、頭を痛められていることと思います。弊社においても輸入牛肉及び豚肉等の仕入価の高騰、給与水準の引き上げなどで難しい経営の舵取りを余儀なくされております。
さて先般、私は世界の様子を少しでも肌で感じたくて、オーストラリアのクイーンズランド州を視察のため、七年振りに訪れて参りました。オーストラリアは2000年初頭から電子申告を始めているように、十年以上も前から日本よりも色々な面で電子化が進んでいたように感じておりました。現在では更にキャシュレス化やペーパーレス化が進んでいました。日本も遅ればせながらDX化に取り組んで、効率化を果たすことが生産性向上への道程になることを実感致しました。
また、都市部や高級住宅地と称されるオーシャン及びウォーターフロントやゴルフビューエリアは30年前との比較で地価が7~8倍に上昇し、都市部からの遠隔地でも2~3倍に上がっているとのことでした。
更には、マクドナルドのビッグマックの値段はゴールドコースト中心部で780円くらいで売られており、ラーメンも2~3,000円での販売価格でした。友人が数店舗のラーメン店に対して経営に関与しているので、20年前の600円から2~3,000円に販売価格が跳ね上がった要因を聞いたところ、人件費と地価、家賃の高騰が挙げられ、食材仕入れについても、肉、野菜など加工度の低い農産品は、2~3割アップしているようです。これらの要因が販売価格に転嫁されながら時経過とともに現在の状況に至っています。当然のことかもしれませんが事業規模に見合った売上で高収益性を確保できたところが残り、そのような環境を作れなかったところは朽ちてしまった姿を目の当たりにしてきました。
他方、オーストラリアでは官民の在り方が健全であり、行政が国民や州民の生活を計画的にコントロールしているようです。官民の癒着が全くないとは言えないようですが、その透明性はかなり高く健全的にバランスしております。この辺りが日本との差異の原因かもしれません。
何れに致しましても、弊社ではよりもの作り化を進め付加価値を高めていくべく、とりわけDX化、ペーパーレス化、単純製造面においては機械化を図り、諸物価高騰と人件費上昇に対応していこうと考えております。また、どこの事業体でも賃上げと物価高対策には苦慮されている問題だと思います。皆様方の対策などお聞かせいただければ嬉しく思います。
オオタ総合食品株式会社
代表取締役 多田勝