お知らせ

おおた通信 第180号 おおたよりお客様へ

 いつも大変お世話になります。
 桜の開花時期が例年よりも半月ほど早く訪れたことで、地球温暖化現象を肌で感じた時でもありましたし、最近ではアフリカ北東部に位置するスーダンでの内戦が再燃した事による在留邦人の身柄確保の
ための自衛隊機派遣やロシアによるウクライナ侵攻にも一向に出口が見えない中、諸物価はますます上がり、いつまで上昇傾向が続くのか見通せない状況にあります。天災人災に翻弄される今日この頃であ
ります。
 やはり、私たちの業界でも大きな関心事は、何と言っても原材料費と電気料、石油製品の値上がりではないでしょうか? 当社においても日々、原料仕入れに関する値上げ要請が寄せられておりますが、全てを価格転嫁できている訳ではありません。しかしながら、物価上昇と可処分所得増加が急務とされている観点から中長期的に見て日本は『置き去りの30年』ですから、複数年掛けて日本の物価が、国際水準に近いものにならなければいけない、ならざるを得ないのではないかと思っております。
 そうでならなければ、日本は輸入依存国ですから成り立っていかないと考えます。
 因みに、2022年度大卒初任給高額国一位はスイスであり732千円/月、米国は三位で485千円/月、因みに日本は20位であり206千円/ 月となっております。一般的に所得水準比較に用いられるマクドナルド社のビッグマックの価格についてはスイス934円、アメリカ710円、日本390円(ともに2022年調査)となっており、日本国内だけで見ると同じものが安価に買えてよいのですが、見方を変えるとそこまでしかお金を払う力のない今の「日本」を表しているとも言えます。
 更に、付言すれば上に示した日本と他国の所得の開き、また物価の開きがあれば所謂、『買い負け』が起きて、日本には物資が回ってこないとも言えるのです。
 さて、弊社の値上げに関する見解について申し述べたいと思います。先にお伝えをしたように、原材料が日本に行き渡らないのは困りますから、ビジネスの環境を見据えながら極力お客様には過度なご負担が及ばないよう慎重に取り計らいたいと考える次第であります。また、単純な値上げではなく私たちが提供する商品の価値を上げる取組方針を社内には打ち出し、全社をあげて取組を進めております。大変僭越ではありますが、お取組み先様にも商品価値の創造的な取組の強化や商品戦略の拡大等について同調して頂けるようお願いを申し上げているところでございます。
 現状の原材料高騰もしばらくは継続するものと思いますが、多岐に渡っての情報交換と対話を繰返しながらお客様との関係強化を図り、共に成長・発展へと進むことができれば幸いに存じます。
 このような考え方でおりますので今後ともご指導頂けます様、謹んでお願い申し上げます。

オオタ総合食品株式会社
代表取締役 多田勝